2022年秋、初めて枝豆栽培(夏播き)に挑戦するマッチ棒の旦那は以下のスペック。
- 2022年から家庭菜園に没頭する38歳
- 妻と2人姉妹の4人家族
- 夏野菜の後作に枝豆を選択
- 温暖地域で住宅街に建つ一戸建て家庭菜園
枝豆は夏の夕方、縁側でビールのお供にという昭和の情景が浮かばれますが、調べてみると夏に蒔いて秋に収穫という方法が可能だと知りました。
枝豆自体初めての栽培ですが、2022年は夏播きの枝豆に挑戦します。
栽培方法の紹介と一緒に生育状況を追っていきますので、この記事は随時更新されます。
秋の家庭菜園におススメの野菜や果樹の栽培も紹介しています。
我が家の枝豆(夏蒔き)栽培|露地植え栽培
枝豆の特徴
- 発芽温度・生育温度は25℃~30℃
- 土壌pH6.0
- 収穫までの日数は70~90日
- 収穫適期が短く(3~5日)、収穫後鮮度が落ちやすい
種蒔き~植替え
- 9㎝ポットに3~4粒ずつ蒔く
- 直播の場合は鳥害に注意
- 初生葉が出た頃に1~2本へ間引く
- ポット苗は本葉が展開するころに定植
枝豆の種はポットに播く育苗した後に畑に定植する移植栽培と、畑に直播する方法があります。
土の準備
事前に土の準備をしておきます。
定植の2週間前に苦土石灰を混ぜ込み、さらに1週間前に堆肥または元肥を入れて混ぜ込んでおきます。
2列で植えるのであれば幅75㎝程度、高さは10~15㎝の畝を立てておきます。
種播き
9㎝のビニールポットに種まき培土を入れ、1つのポットに3~4粒ずつ播いていきます。
直播の場合は準備した畝にビンの底などで2~3cmのくぼみをつけて3~4粒ずつ播いて覆土します。株間は早生品種で20~30cm、晩生品種で30~40cmの間隔を空けます。
発芽日数は5~7日です。
直播の注意点
- 鳥による食害に合いやすい
- 土の中で腐りやすい
直播は鳥の食害に合いやすいので、種を播いた後は防虫ネットを掛けておくか不織布をべた掛けしておくとよいです。
また播く位置が深すぎたり、覆土が多すぎたりすると土の中で腐る可能性があります。
間引き(播種後7日前後)
ポット播きも直播も初生葉が出たら3~4本から1~2本へ間引きします。
間引きの際は残す苗と間引く苗の根っこが絡まっていることがあるのでハサミで切る方法がおすすめです。
2本仕立てにしておくと互いに支えあって倒伏防止にもなるのでお勧めです。
初生葉が出ると鳥は食べられなくなるので直播で不織布をべた掛けしている場合はここで取ってしまいます。
防虫ネットを引き続きかける場合は虫が入り込んでいないか注意しましょう。
定植(播種後10日前後)
ポット苗の定植は本葉が展開したタイミングで行います。
枝豆のは葉の数え方に注意で、一番最初に開く葉は双子葉、次に開くのが初生葉、その次に出ている3枚1組が第1本葉となります。
定植は特に注意することはなく、枝豆は丈夫な植物なので多少根が切れてしまっても問題ありません。
むしろ根と頂芽を切ってしまって定植をする方法もあります。
こうすることで収量が劇的に増加します。
生育~収穫
- 乾燥に注意をする
- 本葉6~8枚のころに追肥と土寄せ
- 頂芽の摘芯をする場合は本葉5~6枚のとき
- 害虫(特にカメムシ)に注意
本葉は3枚1組で数えます。子ヅルを混同して数えないように注意します。
乾燥しないように水を管理
枝豆の生育はある程度気温の高い時期に行うため乾燥には注意する必要があります。水が不足すると落花数が増えて結実率が下がり収量の低下につながります。
また開花から15日ごろまでに実が大きく育つのですが、この頃に水が不足すると実入りが悪くなります。
追肥と土寄せ
追肥と土寄せのタイミングは本葉6~8枚ごろに行います。
開花時に栄養が足りていなければ鞘ができないなど失敗につながります。ただ枝豆は非常に丈夫な植物で、一度も肥料を与えなくても十分収穫まで到達できます。
土寄せは防草効果と、寄せた土に埋まった茎からも根が出ることで倒伏防止になります。
摘芯(不要な場合もあり)
頂芽の摘芯は本葉5~6枚の頃、または開花したタイミングで行います。
頂芽の摘芯を行うことによって脇芽の成長が促進されて収量の増加につながります。
ただし早生品種の場合はそこまで収量が増えないことから、摘芯は必ずしも行わなくても良いとされています。晩生品種は収量の増加が見込めるのでおススメです。
また肥料過多により葉が茂りすぎた場合も葉を摘芯することで実付きも良くなり、収量の増加が見込めます。
天敵のカメムシに注意
害虫については別途後述しますが、枝豆栽培の天敵といえばカメムシです。
カメムシは枝豆の鞘に口針を挿しこんで吸汁(栄養を吸い取る)します。吸汁された実は成長前であれば大きくならず、成長したものであれば不味くなります。
移植栽培なら定植のタイミングで、直播なら播種後すぐにネットを掛けてしまうのが防虫対策としてはベストかな。
春播きも夏播きも枝豆の生育時期とカメムシの発生時期はぴったりと重なるので早い段階で防虫ネットを掛けるか、開花時期や小さい鞘がついた時期に農薬を散布するのも防除方法の一つです。
収穫
枝豆は鮮度が落ちるのが非常に速い作物で、収穫適期は3~5日と非常に短い期間です。
膨らんだ鞘ごとに摘み取るか、苗ごと収穫してしまう場合は苗の8割程度の鞘が膨らんだタイミングがベストです。
収穫が遅れ鞘が変色してくると味も落ちてしまうので、そのまましばらく待って大豆として収穫する方法もあります。
枝豆は鮮度が味を左右するので、収穫後はすぐに塩ゆでしてしまうことをおススメします。
採れたての一番おいしい時に食べられる、まさに家庭菜園向きの野菜です。
病害虫と対策
害虫
防虫ネットの中に1匹カメムシを見つけましたが、1匹でも大食漢のため被害は甚大になります。
追肥や土寄せ、摘芯の後は注意してネットを掛けなおしましょう。
害虫 | 被害と対策 |
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アブラムシ | 葉や莢からの吸汁により生育を阻害。モザイク病のウイルスを媒介することもある。 防虫ネットによる飛来防止や密集している葉や莢を除去する。 |
カメムシ | 莢を吸汁し生育を阻害。吸汁された莢は落下したり、変色して味が悪くなる。 防虫ネットによる飛来防止や見つけ次第捕殺する。 |
マメシンクイガ | 成虫が葉や莢に産卵し、ふ化した幼虫による豆の食害。定着性の高い害虫の為、 連作すると被害が大きくなる。 産卵最盛期に薬剤による防除を行う。 |
ハスモンヨトウ | ふ化幼虫による食害。上位の葉が「白化葉」になる。 成長する莢も食べるようになるため、群生している葉ごと除去する。 |
病気
病気は早期発見が肝心となります。
他の葉や苗に感染させないよう最小限に抑えることが大切です。
病名 | 症状と対策 |
---|---|
モザイク病 | 葉や茎、果実にモザイク状の班が出る。葉や茎の奇形が発生する。 アブラムシ等の害虫による伝播、罹患した植物を切ったハサミ等による伝播がある。 対策としてアブラムシの飛来を防ぐ、使用するハサミを都度消毒する等。 |
立ち枯れ病 | カビが原因。茎が水に染みたように腐敗し生育が衰え、日中に枯れる。 伝染性の病気なので早期対策が必須。水はけの悪い粘土質の土等で発生しやすい。 水はけの良い土を使用し風通しの良い場所で生育する。 罹患苗を見つけたらすぐに取り除き処分する。また同じ作物の連作は避ける。 |
灰星病 | 葉に灰白色の不規則な斑点が現れて、最後は黄淡色の大きな病斑になる病害。 病斑からヤニが出て、それより上部が枯死する。 多湿の時期が続くと発生しやすく、特に水はけの悪い土壌で発生する。 対策は風通しを良くし、水はけの良い土を使用する。 ハサミ等は都度消毒をして菌を媒介する害虫を細目に駆除すること。 |